日本酒や焼酎・泡盛の記事に登場する言葉を、造りの工程、味わいの指標、分類、蔵の仕事といった切り口でまとめています。記事を読んでいて気になった言葉があれば、ここで確かめてみてください。
上槽の際、搾る順に分けて取った部分の呼び名です。最初が荒走り、中間が中取り、最後が責めで、それぞれ味わいが異なります。
原酒に水を加えてアルコール度数を調整する工程です。多くの日本酒は15度前後に整えられ、飲みやすさと味のバランスが取られます。
天然の乳酸菌を取り込んで酒母を育てる伝統的な製法です。手間と時間がかかりますが、複雑で厚みのある味わいと、しっかりした酸が生まれます。
搾ったあとに加水していない酒です。アルコール度数は17〜20度程度と高めで、味わいも濃厚になります。
蒸した米にコウジカビを繁殖させたものです。米のデンプンを糖に変える働きがあり、日本酒造りに欠かせません。「一麹、二酛、三造り」と言われるほど重要な工程です。
麹を造るための専用の部屋です。室温30度前後、高湿度に保たれ、蔵の中でも特に神聖な場所とされています。
もろみの仕込みを3回に分けて行う方法です。一度に仕込むと酵母が薄まるため、段階的に量を増やして発酵を安定させます。
優良な酵母を大量に培養したもので、もろみの発酵を担う出発点です。酛(もと)とも呼ばれます。造り方によって生酛、山廃、速醸に分かれます。
発酵を終えたもろみを搾って、清酒と酒粕に分ける工程です。搾り方によって酒質が変わり、袋吊りなど特別な方法もあります。
醸造用の乳酸を最初から加えて酒母を造る方法です。約2週間で仕上がり、雑菌の心配も少ないため、現在最も広く使われています。
搾った酒をタンクや瓶で寝かせる期間です。角が取れて味がまとまり、長期になると色と香りも変化します。
一度も火入れをしていない酒です。フレッシュで香り高い反面、品質が変わりやすいため冷蔵保管と早めの消費が必要です。
酒を約65度に加熱し、殺菌と酵素の働きを止める処理です。通常は貯蔵前と出荷前の2回行われます。
麹による糖化と、酵母によるアルコール発酵が同じタンクの中で同時に進む方式です。日本酒特有の高いアルコール度数を生みます。
酒母に麹、蒸米、水を加えて発酵させる、酒の原型となる液体です。約3〜4週間かけて発酵し、アルコールが生まれます。
生酛から山卸の作業を省いた製法です。天然の乳酸菌を使う点は同じで、生酛に近い濃醇な味わいと酸の強さが生まれます。
酒に含まれるアミノ酸の量を示す数値です。旨味やコクに関わり、高いと濃醇に、低いと淡麗ですっきりした味わいになります。
酒に含まれるアルコールの割合です。日本酒は15度前後が一般的で、原酒では17〜20度になることもあります。
岡山県産の古い酒米で、現存する酒米の多くの祖先にあたります。濃厚で幅のある独特の味わいを生み、熱心な愛好家がいます。
糖をアルコールと炭酸ガスに変える微生物です。種類によって香りの出方が大きく変わり、酒の個性を決める要素になります。
新潟県生まれの酒米で、淡麗な酒質を生みます。溶けにくい性質から、すっきりとキレのある酒に向いています。
日本酒造りに適した米の総称です。粒が大きく、中心に心白があり、タンパク質が少ないという特徴があります。
酒に含まれる有機酸の量を示す数値です。一般に1.3〜1.5前後が標準で、高いほど辛口に、低いほど甘口に感じられます。
酒造りに使う水です。日本酒の成分の約8割は水であり、その質が酒質を大きく左右します。蔵の立地を決める要素でもあります。
玄米を削った後に残った米の割合です。60%なら外側を40%削ったことを意味し、数値が小さいほど磨きが進んでいます。
水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量による区分です。硬水は発酵が力強く進み、軟水は穏やかで柔らかな酒質になります。
酒の比重を示す数値です。プラスが大きいほど糖分が少なく辛口、マイナスが大きいほど糖分が多く甘口の傾向になります。
長野県生まれの酒米です。寒冷地に強く、東北から信州にかけて広く栽培されます。軽快で清涼感のある酒質になります。
酒米の代表格で「酒米の王様」と呼ばれます。兵庫県産が有名で、大きな心白と溶けやすさから吟醸酒に多く使われます。
精米歩合60%以下の米を低温でゆっくり発酵させた日本酒です。吟醸香と呼ばれる果実のような香りが特徴です。
精米歩合60%以下の米、米麹、水だけで造る吟醸酒です。吟醸香と米の旨味の両方が楽しめます。
米、米麹、水だけで造られた日本酒です。醸造アルコールを加えないため、米の旨味やふくらみが素直に表れます。
精米歩合50%以下の米、米麹、水だけで造る最高峰の分類です。繊細な香りと米の旨味が高い次元で両立します。
サトウキビなどを原料とする蒸留アルコールです。香りを引き出し、味わいを軽快に整える目的で加えられます。
精米歩合50%以下の米を使った吟醸酒です。米の半分以上を削り、繊細で華やかな香りと澄んだ味わいを生みます。
精米歩合60%以下、または特別な製法で造られた純米酒です。ラベルにその特別な点が記載されます。
精米歩合60%以下、または特別な製法で造られた本醸造酒です。通常の本醸造より丁寧な造りになります。
特定名称酒の要件を満たさない日本酒の総称です。流通量では最も多く、日常的に親しまれています。
精米歩合70%以下で、少量の醸造アルコールを加えた日本酒です。すっきりとした軽快な味わいになります。
蒸留した原酒の表面に浮く油分を取り除く工程です。保存性を高め、酒質を安定させます。
沖縄で造られる蒸留酒です。タイ米と黒麹を使い、全量を一度に仕込む全麹仕込みという独自の製法で造られます。
長崎県壱岐島で造られる麦焼酎です。米麹と麦を使う独自の配合で、まろやかな味わいになります。
麹と水と酵母で酒母を造る、焼酎の最初の仕込み工程です。約5〜8日かけて酵母を十分に増やします。
さつまいもを主原料とする焼酎です。鹿児島と宮崎が主産地で、原料由来の甘い香りと厚みのある味わいが特徴です。
陶器の甕で焼酎や泡盛を寝かせる方法です。甕が呼吸することでゆるやかに熟成し、味わいが丸くなります。
日本酒造りに使われる麹菌です。焼酎では華やかな香りを生む一方、クエン酸が少なく温度管理が難しくなります。
熊本県人吉・球磨地方で、米だけを原料に造られる米焼酎です。地理的表示に指定されています。
沖縄と九州南部で使われる麹菌です。クエン酸を多く生成するため、温暖な気候でも雑菌に負けず仕込めます。
鹿児島に伝わる平たい土瓶型の酒器です。前割りした焼酎を直火にかけて温めるのに使われます。
蒸留機内の気圧を下げて低温で蒸留する方式です。40〜50度で沸騰するため、軽快でくせの少ない酒質になります。
原料全体に対する麹の割合です。焼酎では2割前後が標準で、泡盛は全量を麹にする全麹仕込みです。
芋焼酎用のさつまいもの代表品種です。デンプン質が多く、芋焼酎らしい甘い香りと厚みを生みます。
奄美群島でのみ製造が認められている焼酎です。黒糖を原料としながら、米麹を使うため焼酎に分類されます。
長期熟成させた泡盛です。3年以上寝かせたものを指し、とろりとした口当たりと甘い香りが生まれます。
米を主原料とする焼酎です。熊本の球磨地方が代表的な産地で、穏やかな香りと柔らかな口当たりが特徴です。
鹿児島県産のさつまいもを原料に、県内で製造される芋焼酎です。地理的表示に指定されています。
古酒の甕から減った分を、より若い酒で補う伝統的な熟成法です。長期にわたって品質を保ちます。
大気圧のまま蒸留する伝統的な方式です。90度以上の高温になるため、原料の香ばしさが強く出ます。
蒸留の最初に出てくる部分です。アルコール度数が70度前後と高く、香りが濃厚で、限定商品になることもあります。
黒麹の突然変異から生まれた麹菌です。黒麹と同じくクエン酸を生成しながら、扱いやすく現在の主流となっています。
蒸留の最後に出てくる部分です。度数が低く油分を多く含むため、通常は取り除かれます。
そばを主原料とする焼酎です。宮崎県で生まれ、穏やかな香りとくせの少ない飲み口が特徴です。
一度だけ蒸留する方式です。原料の香りと味わいが残るため、本格焼酎と泡盛はこの方式で造られます。
産地名を保護する制度です。指定された地域で、定められた製法により造られた酒だけが名乗れます。
麹と主原料を一度に仕込む古い製法です。現在は泡盛の全麹仕込みに近い形で一部に残っています。
一次もろみに主原料と水を加える工程です。ここで芋や麦が加わり、約8〜14日かけて発酵させます。
与那国島でのみ製造が認められている、度数60度の泡盛です。初留のみを取り出して造られます。
皮や中身が赤紫のさつまいもの総称です。黄金千貫とは異なる、華やかで果実を思わせる香りが生まれます。
単式蒸留で造られ、原料や製法に一定の要件を満たす焼酎です。原料の個性がそのまま味わいに表れます。
焼酎をあらかじめ水で割って寝かせておく飲み方です。数日置くことで水と酒がなじみ、口当たりが柔らかくなります。
大麦を主原料とする焼酎です。大分と壱岐が知られ、香ばしく軽快な味わいで、初めての方にも親しみやすい酒質です。
濾過を行わないか、最小限にとどめた焼酎です。原料の旨味や油分が残り、濃厚な味わいになります。
沖縄県内で、黒麹を用いた全麹仕込みにより造られる泡盛です。地理的表示に指定されています。
蒸留を繰り返して純度を高める方式です。原料の風味がほとんど残らず、無色透明でくせのない酒質になります。
50度前後に温めた状態です。香りが強く立ち、味わいが引き締まります。辛口の酒や本醸造に向きます。
新潟県を拠点とする杜氏集団です。淡麗な酒質を得意とし、新潟の酒の性格を形づくりました。
小ぶりの酒杯です。一口か二口で飲み切る大きさで、酌を交わす日本の飲酒文化と結びついています。
焼酎をお湯で割る飲み方です。先にお湯を注いでから焼酎を入れると、自然に混ざり香りが立ちます。
氷を入れたグラスに酒を注ぐ飲み方です。焼酎や原酒など度数の高い酒に向きます。
酒の色、香り、味を体系的に評価することです。専用の蛇の目猪口を使い、順を追って確認します。
猪口より大ぶりの酒杯です。ゆっくり味わうのに向き、香りを楽しむ酒に適しています。
酒蔵を訪れて製造工程を見学することです。仕込み期の見学は衛生管理の都合で制限される場合があります。
杜氏のもとで酒造りに従事する職人です。役割ごとに呼び名があり、麹担当は麹屋と呼ばれます。
酒を造る醸造元、またはその経営者を指します。近年は蔵元自身が杜氏を兼ねる蔵も増えています。
その土地で造られた酒を指します。大手の全国流通銘柄に対する言葉として使われてきました。
酒を注ぎ、飲むための器の総称です。素材や形によって香りの立ち方や口当たりが変わります。
20度前後の室温のままの状態を指します。冷やすとは逆の意味なので注意が必要です。
45度前後に温めた状態です。ぬる燗と熱燗の中間で、香りと味のバランスが取れた温度帯です。
食事と一緒に楽しむ酒を指します。料理の味を引き立て、飲み飽きしない酒質が求められます。
その年に仕込まれ、早い時期に出荷される酒です。フレッシュで若々しい味わいが楽しめます。
炭酸水で割る飲み方です。爽快感が加わり、香りも立つため、食事と合わせやすくなります。
兵庫県北部を拠点とする杜氏集団です。灘の酒造りを支え、硬水を活かした力強い酒質を確立しました。
蔵に併設された販売所です。限定品や量り売りなど、その場でしか買えない酒に出会えることがあります。
酒造りの最高責任者です。原料処理から発酵管理まで全工程を統括し、蔵人を指揮します。
蔵と直接契約した販売店です。品質管理や売り方の条件を満たした店だけが取り扱えます。
岩手県を拠点とする日本最大の杜氏集団です。全国の蔵で活躍し、技術の体系化と伝承でも知られます。
40度前後に温めた状態です。香りがふくらみ、味わいが柔らかくなるため、純米酒によく合います。
10度前後に冷やした状態です。吟醸酒の香りが最も立ちやすく、冷やして飲むのに適した温度帯とされます。
酒が造られた年度を示す表記です。7月1日から翌年6月30日までを1年度として数えます。
冬に仕込んだ酒をひと夏寝かせ、秋に出荷する酒です。角が取れて味わいがまとまっています。
木製の四角い酒器です。本来は米を量る道具で、木の香りが酒に移るのが特徴です。
酒を水で割る飲み方です。焼酎では6対4や5対5が一般的で、度数を下げて飲みやすくします。
5度前後に冷やした状態を指す言葉です。香りは控えめになり、味わいが引き締まります。
日本酒の代表的な瓶のサイズです。四合瓶が720ml、一升瓶が1800mlにあたります。