希望の水という名の一献。醸し人九平次 EAU DU DESIR 山田錦が彩る夏のひととき
力強い筆致で描かれた「九平次」の文字。その背後には、どこか現代的な感性が漂うラベルが目を引きます。愛知県の萬乗醸造が手がける「醸し人九平次 EAU DU DESIR 山田錦」は、日本酒の伝統と、ワインのようなエレガンスが同居する不思議な魅力を持った一本です。

このお酒を手に取ったら、ぜひ白ワイングラスを用意してみてください。グラスに注ぐと、メロンを思わせるような瑞々しく綺麗な香りがふわりと広がります。口当たりは非常に柔らかく、スッキリとした甘さが心地よく喉を通り抜けていきます。そして最後に訪れるのは、かすかなほろ苦さ。この余韻が、甘みの残像をキュッと引き締め、次の一口へと誘ってくれます。
ラベルに目を向けると、「EAU DU DESIR(希望の水)」というフランス語が記されています。裏ラベルには、原料となる兵庫県黒田庄産の山田錦へのこだわりが綴られており、2024年というヴィンテージが刻まれているのも印象的です。その年の気候や風土が凝縮された一滴であることが伝わってきます。

食卓での守備範囲の広さも、このお酒の大きな特徴です。タイの刺身やカルパッチョといった魚料理に寄り添うのはもちろん、桃の冷製パスタのようなフルーツを使った繊細な一皿とも驚くほど美しく調和します。また、お酒をメインに楽しみたいときには、スパイシーなナッツをつまんでみるのも一興です。スパイスの刺激と、お酒の持つ柔らかな甘みが、意外なほど楽しい対比を見せてくれます。
夏の光の中で開栓し、自由な発想で料理との組み合わせを試してみたくなる。そんな、日常に新鮮な驚きを運んでくれるような一本です。






