穏やかな香りとスッキリした甘み。「久保田 萬寿」が誘う心地よい時間
特別な日の食卓や、自分へのご褒美として選びたくなる一本があります。新潟県長岡市の朝日酒造が醸す「久保田 萬寿」は、まさにそんなシーンに寄り添ってくれるお酒です。木目のテーブルに置かれたその佇まいは、和紙のような質感のラベルと力強い墨文字が相まって、静かな品格を感じさせてくれます。

グラスに注ぐと、香りは決して強く主張することなく、どこか控えめです。しかし、鼻を近づければ、ふわっと華やかな香りが優しく立ち上がります。この奥ゆかしい香りの立ち方が、これから始まる一口への期待を高めてくれます。
口に含んだ瞬間に広がるのは、柔らかな甘味です。甘味が前面に出ていながらも、決してしつこさを感じさせないのは、その後に続くスッキリとした後味があるからこそ。深みのある味わいがありながら、余韻が軽やかに消えていくため、ついつい次の一口へと手が伸びてしまいます。重たさを感じさせずに、杯を重ねたくなるような不思議な魅力を持っています。

裏ラベルに目を向けると、新潟県産の米を100%使用し、麹米を50%、掛米を33%まで磨き上げていることがわかります。この徹底した造りが、あの繊細でいて深みのある、綺麗な飲み口を支えているのでしょう。アルコール分は15度と、ゆっくりと対話するように味わうのにちょうどいい度数です。
華やかさとスッキリとしたキレ。その絶妙なバランスが生み出す心地よいリズムに身を任せていると、いつの間にか時間がゆったりと流れていくような気がします。日常の中に、少しだけ贅沢で穏やかなひとときを運んでくれる、そんな銘柄です。






